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 俺は、しがないサラリーマンだ。とはいっても、ロボット工学の技術者でそれなりのスキルはある。しかし、ここのところ、若手のエンジニアが台頭してきた。彼らは最新の技術を身につけて、次から次にヘッドハンティングされてやって来る。  昔ながらの俺ら古参の技術者は、どんどん閑職に追われて行った。なんて時代なんだ。もっと目上の人間を敬えんのか。全く持って、けしからん。  今日もこれから、営業先へ新型ロボットの営業だ。満員のリニアカーにもみくちゃにされ、一張羅のスーツはさらにヨレヨレになってしまった。最近の俺の、体たらくは自分でも情けない。
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