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「ん?さすがに生まれた頃からって言うのは言いすぎじゃない?」
「ああそうだな……物心ついた頃からかな……」
ハルキはグラスの縁を、指でなぞる。
私は、なんだか嫌な予感がした。
「俺は男であり、女でもある。矛盾しているようだけど、俺はずっと、自分をそう言う存在だと認識していたんだ。でも、親とかは、いくら言っても、自分の価値観でものを認識してた……し続けて、結局関係が破綻した……」
「……ふうん、そうなんだ」
彼女の顔が、見づらい。私はちょっと俯き、気のない返事をした。
「なんか、思うよ。ずれがあるから俺は人間関係が上手くいかないことが多いけど、だけど、ずれがあるからこそシマとは仲良くできてる……んだろうな。ああ、何言ってんだ俺。変だな……変だ」
「…………」
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