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「あああ、ごめんなさい。好きです」
「え?」
「だからあの・・・好きです。私、植原くんのこと男性として滅茶苦茶好きです」
植原くんは、もう一度えっという形に口を開いたまま大きくて可愛い目も見開いてしばらく固まった後言った。
「俺・・・高卒だよ?」
「高学歴の女嫌いですか?」
「いや・・・凄いと思うけど・・・」
「他に問題は?」
「親父に雇われてる身で給料も安いし・・・」
「同級生だしデートは割り勘にしましょう。遠距離なので交通費掛かりますけど、来ていただける場合は私が負担します。そういう条件でいかがでしょう」
「は?」
「ですから、私とお付き合いしていただけませんか?」
植原くんはまた固まってしまった。あれ? 違った? そういうつもりは全然なかったのかと焦り始めた時、2階から声が聞こえた。
「終わりました。確認していただいてよろしいですか?」
慌てて2階に行くと、以前より防犯性能の高い窓がしっかりはめられていた。その分値段も高かったけれど無事支払いを終えると修理屋さんは帰って行き、植原くんと2人きりになった。仕切り直して再び交際の申し込みをしようかと思ったら、彼が先に言った。
「あの・・・じゃあさっきの話・・・とりあえずお友達からってことで・・・」
「ええっ嘘でしょ、30歳の男女が友達からとか言ってたらジジババになっちゃうよ?」
「うん・・・でも俺、結婚するまではそういうことしないつもりなんで・・・」
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