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「待って、私も植原くんに触りたい」
「え、ああ・・・」
私は素直に横たわった植原くんの足元に跪いた。素晴らしい景色だ。頭の天辺からつま先まで植原くんは美しい。私はその気持ちを伝える為に足の指から脛、膝、太股とゆっくり指を這わせて行った。でも顔を見ていてもあまり変化がない。やっぱり男はここしか感じないのかなと思いながらそこをスルーして脇腹を撫でると肌の下で筋肉が締まるのを感じた。
「くすぐったい?」
「うん」
脇から中央に手を滑らせて腹筋を撫でてみた。硬い。板チョコみたいにしっかり四角い区切りがある。
「筋肉って仕事で自然につくの? それとも鍛えてる?」
「まあ多少は・・・佐々木さんも細いっていうより締まった体してるんだね」
「ああ・・・私運動とか好きじゃなかったんだけど、優待券貰ってジムに行ったら結構はまっちゃって、引っ越し先にも同じ系列のジムがあったから入ったの」
「へえ、意外」
「鍛えてる女嫌い?」
「そんなにムキムキでなければ・・・佐々木さん、綺麗だよ」
にっこり笑って褒められて、ちょっと自信が出てきた私は、彼に提案した。
「あの・・・さ、その佐々木さんっていうの止めて。私も植原くんじゃなくて・・・敬って呼ぶから・・・」
「唯・・・?」
「そう。唯って呼んで」
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