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「今日まで49名の尊い魂を転生して頂きました。  今夜は私の番ですわっ!」 その神々しいお方は、観音菩薩だった。 「…まあ、あなたも修行中の身ですが、  性欲はすでに…」 「…いいえ、これはね、私の意思で取っておいたの…  きっと素晴らしいお方に成仏させていただけるって信じていたのっ!!  …ああ、私、ついてるわぁー…」 観音菩薩はかなり感情を込めて両手の指を絡めて天井を見上げた。 「あ、私、魂徒羅(こんとら)観音菩薩よっ!  よろしくねっ!  そうそう!  あなたのお名前、思い出せたのかな?」 「いえ、思い出していません。  ですが、予測はできています。  覇夢王(はむおう)…」 「はいっ!  大正解っ!!  …今夜、優しくしてねぇー…」 「ああ、ここで成仏される方もおられますよ」 魂徒羅は笑顔のまま姿を消した。 どうやら、言葉だけで昇天したくはなかったようだ。 … … … … … 「…デート、とか…」 昼下がりの学食で、 麗子は小さな声でずっとお経のようにこの言葉を繰り返している。 「…うーん…」 オレは声に出して唸った。 すると、麗子は眼を輝かせてオレを覗き込んでいる。 「今って、デート、だよね?」 あまりいい予感がしないので、オレは言葉と身体ごと麗子から逃げた。 『いいのよ。     
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