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いってらっしゃい』
また優しい例の声が聞こえた。
麗子はオレをふくれっ面で睨んでいる。
「明日の午後5時までならいいよ」
「何よそれ…
…その先が、楽しいんじゃなぁーい…」
麗子は言ってから真っ赤になって異様に照れた。
「おいおい、色っぽいな。
今やってやろうか?」
当然やるわけはない。
麗子は呆然としながら涙を流し始めた。
今やれということなのだろうかとオレは真剣に考えた。
「…ううん、なんだかね…
邪魔しちゃだめってね、誰かがいったような気がして…
それにね、私のこと、本気で…」
麗子はわんわんと子供のように泣き始めた。
当然オレは困ったが、これも修行だと思い、麗子の頭を優しく撫でた。
… … … … …
さらに3ヵ月後。
一体オレは何人の女性を逝かせたのだろうか… と考えていると、
『今日で333人目です』
と例の優しい声だけが聞こえて、そのあとすぐにオレの目の前に、
信じられないお方が姿を現された。
オレはすぐさま頭を下げたが、瞬時に勝手に頭が上がった。
「…学長…
まさか、あなた様は…」
『私も修行不足なのです。
知りませんでしたか?』
「…そんな…
そんなはずはありません。
仏陀様は…」
『私たちは夢の世界に住んでいます。
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