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そしてやっとあなたが生まれた。
なので、私も含め、修行者たちもこの最後の難関を越えねばならないのです。
…あら?
あなたにとって、と言い換えた方がよろしいかしら…』
オレは冷汗が出た。
これはこれでいいのかと何度も繰り返し考えた。
『これが正しいのです。
ですが、あなたの方がさらに修行を積む必要があるかも知れませんわね。
あなたもまだ未熟です。
ですが、この世に生を受け、たった一年で成し得たことではないのです。
あなたは前世もそのまた前世も、ずっと修行をしていたのです。
その修行の積み重ねを、私にぶつけてくださいませ』
仏陀は軽く頭を下げて姿を消した。
この大学、どうなるんだろう… とオレはばかげたことがまず頭に浮かんだ。
… … … … …
今はオレの夢の中…
「…千手観音菩薩の数千倍緊張していますっ!!」
オレが言うと仏陀はくすりと笑っただけだ。
オレはいつも通りになろうと精神統一をした。
やはりまずは触れないとどうにもならないと思い、仏陀を引き寄せ抱き締めた。
「…ああ、やはり…
優しいわぁー…
心が洗われました…」
この言葉で、オレは完全にいつも通りのオレになった。
だが敵は、いや、敵ではないが、
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