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仏陀は微笑んでいるだけで全く性欲がないように思えた。 当然いつもの様に扱ったが何をしても笑みだけだ。 少々困ってしまったが、 ベッドに寝転がり横を向いてオレを見ている仏陀を見て、はたと気づいた。 これがダメなら修行のやり直しと決め、オレは小物入れを探った。 死んだ父と母の大事な品だ。 だが、見た目はそれほど大したものではない。 オレはそれを手に持ち、ライトを付けた。 そしてオレは、仏陀の耳掃除を始めた。 仏陀は予想外の展開に身をよじり始めた。 左の耳を終えて右の耳の掃除を始めると、今度は声を出して喘ぎ始めた。 今しかない! とオレは思い、オレの知る全てを仏陀にぶつけた。 「…ああ、そんなぁー…  卑怯ですぅ…  あうんっ!!  あんっ!  やんっ!!  …早く、これをっ!!  これを!!  もうっ!  もうっ!!  逝っくぅ―――っ!!」 同業者ならともかく、さすがに仏陀との合体はしないでおこうと決めていた。 だが、きっとこの先、いつになるのかわからないが、 この続きがあるはずだとオレは思っている。 仏陀は金色に光る星くずをきらめかせて昇天した。 … … … … … 翌日、大学は何も変わっていなかった。 学長も以前のままの存在感だが、 中身はどうやら位の高い観音菩薩だとオレは感じた。     
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