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10ヵ月間、週に一度となった物の怪の類の昇天の儀を楽にこなし、 オレと麗子はすでに恋人となっていた。 仲良く学食で昼食を摂っていると、テレビがとんでもないニュースを流し始めた。 「ネパールの山奥で、  『天上天下唯我独尊』と叫んで赤子様がお産まれになられました!」 この報道に誰もが呆気に取られている。 当然、オレもだ。 話しによるとかなり位の高い僧の夫婦が無受精で産んだと発表された。 そして、 『覇夢王よ、すぐに参れ』というメッセージも同時に言ってのけたそうだ。 オレは呼ばれたからにははせ参じようと思い、すぐさま旅券を取った。 「麗子、婚前旅行、行かないか?  あまり色気のないところだけどな」 「どこでもいいわ!  …ネパールって、どこの国にあったのかしら…」 麗子は分けのわからないことを口走ったが、オレはそんなことはお構いなしで、 麗子を連れて旅支度を始めるために家に帰った。 ~~ 永遠(とわ)に続く ~~
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