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オレは彼女を昇天させるための存在なのかと。
普通は悪霊払いなどであるべき場所に戻すのだろうが、
彼女の望むことをして満足させてまた新たな生を受ける。
オレは一体なんなんだと考えてしまった。
だが、かなりの美少女だったので、オレとしては満足だった。
そしていきなりいつもの様にわけのわからない夢が始まった。
… … … … …
「…ねえ、結城君…
…お願い… あるんだけどなっ!」
彼女は幽霊ではない。
オレの隣で立ってポーズを決めている女性は人間で、
この大学のミスキャンパス、御陵詩暖だ。
今は午後12時を少し回っていて、オレは学食にいる。
オレはごく普通に詩暖に向かって笑みを浮かべた。
「オレのできることなら何でも」
詩暖は喜び勇んで、オレの左腕を彼女の両腕で取った。
「彼氏になってっ!!」
彼女は満面の笑みでオレにいった。
オレは一瞬だけ考えた。
「悪い、それは無理だ。
今日も女性と会うはずだから」
詩暖は、『…なななな、なんだってっ! 私が振られるはずがないっ!』
といった顔をして固まってしまった。
「ほかのことだったらいいよ」
オレが気さくに言うと、
詩暖は信じられないものを見るような顔をして、走って学食を出ていった。
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