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オレの予感が正しければ、また夕方この席に幽霊が現れるはずだと踏んでいる。
よってオレはウソは言っていない。
「…おい、こら、覇王。
お前、詩暖に何言って泣かせた、こらぁー」
コイツはオレの幼馴染で腐れ縁の存在感満載の安藤麗子だ。
名前に似合わず、女のはずだがかなり男っぽい。
顔はオレ好みで気心も知れているのだが、付き合っているわけではない。
「彼氏になれと言われたから断っただけだ」
オレが言うと麗子は少し驚きそしてにんまりと一瞬笑ってから、
すぐにその表情を引き締め、マジメ腐った顔になった。
「…ほ、ほう…
お前にもやっと春がやって来たと思ったんだがなぁー…」
だが、自分の欲望に耐え切れなかったのか、麗子は満面の笑みとなり上機嫌だ。
麗子がオレに気があることは当然知っている。
理由は簡単、かなりわかりやすいからだ。
オレも麗子が好きなので、デートにでも誘おうかと思った矢先、
先に幽霊に出会ってしまったのだ。
「別に今は彼女はいらないよ。
この先、オレに彼女ができなかったらなってくれるんだろ?」
オレはごく普通に麗子に告白した。
「うん、なるよ…
…えっ?!」
即答して自分のいった言葉が信じられなかった様で
麗子は真っ赤になって一瞬固まり、
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