8/15
前へ
/15ページ
次へ
オレの後ろ頭を思いっきり平手で張り倒してから、走って学食を出ていった。 オレはかなり痛むうしろ頭をさすってから、これも修行だと思いつつ、 美味い昼食にやっとありつけた。 … … … … … 時刻は午後6時。 オレはまた学食にいる、 そしていつもの席に座った。 なんだか喰ってばかりだなと思いつつも、美味そうな肉じゃがに手を付けた。 「…今夜、どうかよろしく…」 かなり雰囲気のある幽霊がオレの目の前に現れた。 オレは昨日のように頬杖を付いて外を見る振りをした。 「…昨日の方とは別なんですね。  すると、昨日の方は昇天されたようですね…」 「ああっ!  そうなのですねっ!  …ああ、あなたしか、私にはあなたしか見えないっ!!」 多分、あんたのことはオレしか見えてないよ、と考えると、 彼女は満面の笑みになった。 この状況を考えるに、オレは言葉を発さなくでも幽霊には通じるんだなと感じた。 そしてこの女性は幽霊ではないと感じた。 「…ああ…  申し上げ難いのですが…  一応、神をやってますぅー…」 何の神様ですか? とオレが考えると、桜の木の神だといった。 それはいなくなったら困るのでは? と考えながらオレは食事を再開した。 「…いえ、それは…  そうなのですけど…  きっと誰かが代わりに…」     
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加