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誰ですかそれは? と考えると桜の木の神はかなり焦ったようだ。
『代わりはおります。ご安心を…』
と優しい例の声が聞こえた。
女性は喜んで、オレに礼をいったあと姿を消した。
また聞こえたな、誰だろう… と考えたが返答はなかった。
… … … … …
翌日の午後6時。
いつもの学食の席に座っていると、
おどろおどろしい女性が目の前に現れた。
オレは食事をしながら、あなた、悪霊ですよね? とオレが考えると、
「なぜわかったっ!」
といってオレに喰らいつきそうになっている。
いや、雰囲気で。それに、普通の人間でも多分わかりますよ。
と考えると、悪霊憑きの女性はしくしくと泣き始めた。
今夜優しくしてあげますから、泣かないで下さい、
とオレが考えると彼女は勝手に素敵な妄想をして昇天してしまった。
こんなのもありなんだ! とオレはかなり愉快な気持ちになったあとすぐに、
成仏してくださいと集中して祈った。
すると別の女の物の怪が目の前に現れた。
どうやら必ずひとりは夢の中で昇天させる必要があるんだなとオレは察した。
… … … … …
翌日の昼、大人しく昼食を摂っていると、激怒した麗子が現れた。
「…彼女、いるんじゃない…」
麗子はまさに女らしく涙を流しているが、かなり男前でもあった。
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