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いつもの夕方の学食は今日も混んでいる。
だが、オレの周りは誰もいない。
理由は簡単で、これからすぐに夜間部の授業が始まるのだ。
みんなは厨房のカウンターに沿ったテーブル席に座るので、
オレのいる窓際には誰もやってこないのだ。
この大学は昼、夜の部の授業がある。
当然生徒も別なので入れ替えをするのかと思いきや、
そんな面倒なことはしない。
この大学の学生であれば、誰もが受けたい授業を受けることが可能だ。
これでこそ勉強の場だとオレは常々思っていたので、
学費は高いが躊躇することなくこの大学を選んだ。
両親が他界したオレには、考えられないほどのカネが手にはいった。
そして、遊びがてらに宝くじを買うと全てが当る。
高校三年当時は何か悪い事でも… などと普通に考えたが、
この大学に通うようになってからさらに運気が上がったように感じる。
この学校に休日は存在しない。
勉強が大好きな学生にとってはいうことない学校だ。
よって、朝9時から夜11時まで、校内をうろつけば必ず教室に明かりが灯っている。
だが当然、ほかの学校よりも厳しい掟はある。
247日以上、一日四講義以上、授業を受けなければ進級できない。
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