(一七)

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 中は上田によって電気がついていた。  そして、ベッドでは白いシーツをかけられた久保田優子が寝ていた。 「息はしとるから、眠っとるだけやろ。それから、どうもシーツの下は全裸みたいやぞ」  と、上田が説明した。  葛城は少しばかり驚き、 「彼女…宮田鈴江のワンピースに、血痕らしき染みがあります」  と、上田に言った。  上田も驚き、すぐにスマホを取り出すと、外の刑事に連絡して、中へ来るよう命令した。  その間に、葛城が辺りを見渡すと、季節外れの黒いハーフコートが部屋の隅にあるのを見つけた。  
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