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―ねえ、幻想生物っていると思う?
美しい白銀の髪が揺れた。青いリボンで髪を結っている、美しい髪。
―いや、いないと思うなあ。幽霊はいると思うけどね。
―え、なんで?
私と似た雰囲気の子がきょとんとした顔首を傾げた。私は微笑した。
―だって幻想生物って人が想像で創り出したものでしょ。だから、信じない。
―ン、じゃあ幽霊は?
―本当にいた人とかが化けて出ることだから、いると思うよ。
私が言うと、彼女は顔をくしゃりとゆがませ、笑った。
―じゃあ守護霊は信じるって事だよね!
―まあ、そうだね
私が答えると、彼女は怪しく笑い、声を低くした。
―守護霊が幻想生物っていうのは信じるかな?
―は?どういうこと?
彼女は髪をほどき、私の目を見た。
―さあね。
彼女はクスリと、何処か寂しそうに微笑んだ。
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