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「え? 僕がもう一人」
驚きのあまり気の利いたことは言えず、ただ目の前の状況を僕は口にした。
なにこれ? 夢か? わけわかんない
混乱して立ちすくんでる僕にもう一人の僕は
「何、俺見て驚いてんの?」
「そりゃ僕がもう一人現れたら驚きますよ」
なんか変な感じに喋っちゃった。ていうかもう一人の僕、俺って言ったな。
「なにその感じ、俺もお前も俺なんだからフランクに行こうぜ。俺の事は気軽に名前で呼んでいいぜ」
「僕も君も同じ名前だから呼ぶとなんだか気持ち悪いよ」
「それもそうか」
短い会話が終わると、特に何もするわけでもなく静かになってしまった。
お前、僕にしては明るい感じだし、黙らないでくれよ気まずいな。
沈黙が続いている中もう一人の僕はふいに「そうだ」と大声を出した。
なんだ?
「お前は僕って言うから僕くん。俺は俺って言うから俺くんな」
僕は頭に疑問符を浮かべているともう一人の僕は続けた。
「お前が名前呼び嫌だって言ったから考えたんだぜ。それともこれも嫌なのか?」
「それで大丈夫」
「よかった。よかった。なら僕くん、俺に聞きたい事とかある?」
急な質問にびっくりしたが僕は一番気になっていた事を聞いた。
「俺くんは何しに現れたの?」
僕の問いを聞くと俺くんは、何かを思い出した様子を見せ興奮しながら答えた。
「そうだ。俺は雪ちゃんに告白しに来たんだった。」
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