ズルズル

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 ええぇぇ! 雪ちゃんに告白!?  僕が驚いている間に、俺くんは家から出ていこうとしている。 「ちょっと待って。どこ行こうとしてるの」 「告白しに行くのもう告白したくてやばいんだよ。邪魔すんなよ」  まずいまずい、だって 「ダメだって。僕たちは昨日、告白を失敗してるじゃん」  そう言った僕を見て俺くんはキョトンとしている。 「失敗? そんなの俺の記憶にないし、知らねえよ」  記憶にない? これは僕の分身じゃないのか  もう一度僕が、引き留めないと本当に行ってしまいそうだ。 「君って本当に僕なの?」 「はぁ。しょうもない事で引き留めてるんじゃねーよ。お前は俺だろ。見た目も同じだしお前の分身としてやって来たんだから」 「君は喋り方も違うし、見た目が同じでも僕かどうか分からないよ。本当に僕なら僕の昔の事を言い合おうよ」 「疑り深い奴だな。分かったよっもう」  僕は俺くんの引き留めに成功したついでに、本当に僕なのか確認できそうだ。  僕と俺くんは互いに昔の事を言い合った。  俺くんの言っている事は僕の記憶と違いが無かったが、僕が忘れられない嫌な記憶を彼は、一つも憶えていなかった。
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