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1章
果てのない空。
大きな翼を広げて飛ぶ鳥たちが空の遊泳を楽しむ下で、地に縛られた人間は目的へと歩みを進める。
繰り返される日常に、自由は少ない。
人は生きていくために自由を手放す。
それが嫌で抗う者は今日も地図にはない新しい道を作り出す。新しいものへと挑戦できる人は限りなく少なく、大半の人は、すでに完成された道路をゆく。
獣道を行くか、アスファルトの道を行くかの違い。
青年は、迷いなく後者を選んだ。
今日も、歩む。
日常へと溶け込むように、影に染まるように。
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