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純一さん…と呼ぶのは、なんだか変な感じなのだが…と、思いながら、野本の手に絡んだ自分の髪を見つめる。
骨ばった大きな手。
きれいな手だ。
「今日……」
言い掛けて、一度言葉を飲み込んだ後、指に絡んだ髪を下ろすと、その手で彩香の手を握る。
「今日、あなたを抱いてもいいですか?」
突拍子も無い言葉に、大きく見開いた目を野本に向けた。
「これでも我慢している方なんですが」
……頭の中が真っ白になった。
いったい、何が起きているのだろうか。
抱くって…今朝も十分抱いてましたよね?…と、思いながら、視線を泳がせる。
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