女子会

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何と言っていいか分からず目を伏せていると、野本はギュッと手を強く握った。 「夜までに決めてください」 そう、はっきりと言った。 普通の恋人たちはどうやって身体の関係を結ぶのだろう……。 普通がよく分からない。 友達もいないから、相談することも経験談を聞くことも無かった。 神藤にこんなこと、相談できるはずもない。 軽いめまいを感じながら、野本の体温を感じていた。 別に減るもんじゃない。 もう34歳にもなって、未だに未経験だという方が世間の人々の失笑を買うだろう。 それでも簡単に割り切れないのはなぜだろう。 全然、現実的じゃない───。 そう思ってしまうのは、なぜだろう……。
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