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用意周到な男だ。
小田島茜の家から証拠につながるものが出なければ、アイツを事情聴取することができない。
運が良ければ現場から見つかったものと同じものが小田島茜の部屋から見つかるかもしれないが、発見された遺体の状況を見ると、自分につながるものを全て消し去ったようだし……。
頭は悪そうだが、犯罪者の素質はあるようだ。
「五十嵐くん。そろそろ行くよ」
背後から黒崎に声を掛けられ、五十嵐は慌てて飛び上がった。
「いや、俺のズボン……まだ乾いてないんッスけど」
「その恰好でいいじゃん。誰も笑わないよ」
と、言いながら、黒崎はくすくす笑っている。
──ここの人間、基本Sだよな。
と、気付いたようだが、自分がMだという事にはまだ気づいていないらしい。
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