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彩香がボーっとしている間に優衣香は店員さんといくつか見繕ってきたようだ。ブラとショーツのセットになったものを三つほど手に持っている。
「どれがいいでしょうか……」
彩香は思わず笑ってしまった。
ひとつだけ買って帰っても、洗濯している間に身に着ける下着はどうする気だろう。せっかく新しい下着を買うチャンスなのに。
優衣香の頭を軽く撫でた後、店員さんに、
「全部ください」と、告げた。
当然、優衣香は驚いたようだが、彩香はそんな優衣香の身体を軽く抱きしめる。
「今日は我慢しない日、ね?」
そう言って背中をポンポンと軽く叩くと、優衣香の小さな手が彩香の背中に回って服をギュッと握り締める。
「あったかい……」
つぶやいた後、優衣香は顔を上げて彩香を見た。
「ありがとうございます……」
ほんのり薄紅色に染まった頬を見ると、彩香はまた笑みを浮かべて優衣香の頭を撫でた。
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