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車に乗ってやってきたのは携帯ショップだ。
「新規で契約したいんですけど」
彩香が店員に告げると、プランや機種名などを提案され、野本と彩香は二人でそれに対して答えていく。
優衣香とそらは、展示されている携帯電話のサンプルを見ながら、ぐるぐると店内を回っていた。
しばらく待ちぼうけしていたが、30分ほどで契約は済んだらしい。
彩香が小さな紙袋を優衣香に渡した。
「え……?なんですか?」
「優衣香ちゃんの携帯。これがあれば写真も撮れるし、俊介さんとも連絡できるようになるでしょう?それに、困ったことがあったらいつでも私に電話できるようになるし」
『そこまでやっていいんですか?』
さっき、野本が言った言葉の意味はそういう事か…と、そらは気付いたようだ。
今は神藤の家に厄介になっている優衣香でも、事件が解決すれば他人になる。そんな優衣香のために携帯を契約するなんてやり過ぎじゃないか…と、言う意味だったのか。
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