天使の涙と悪魔の微笑

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「今度一緒に買い物に行こうか。俊介さんと下着コーナー行けないよね……」 彩香が言うと、優衣香はプッと笑い出した。 そもそも俊介と買い物なんてあまり行かないようだ。 リビングで聞き耳を立てていたらしい俊介も、少し頬を赤らめながら俯いている。 おかずをテーブルに並べて三人で食事を始めると、俊介が口を開く。 「あれから…野本さんから何か連絡はありましたか?」 捜査がどう展開しているのか気になっているのだと、すぐに分かった。 「連絡はありません。たぶん、私との連絡もできるだけ避けるつもりだと思います」 そう言った後、彩香は少しの間、箸を持ったまま宙を見ていた。 このままここに二人を置いておくわけにはいかないのだ。 万が一、拓郎が動き始めたら、俊介の居場所を知っている野本と五十嵐はここにやって来る。俊介を逮捕するのが野本や五十嵐になる可能性が高くなる。それだけは避けたかった。 「あの…突然の提案なのですが」 彩香が声を掛けると俊介と優衣香は彩香を見た後、お互いに顔を見合わせて首を傾げた。
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