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女子会
朝、目を覚ますと、背中からギュッと抱きしめられていた。
もう何度もこんな風に朝を迎えているが、野本から身体を求められたことはない。
飽きるほどキスはしているのに……。
少し硬い腕枕に、思わず頭を浮かせる。
辛くないのだろうか……。
絶対重いに決まってる。
ゆうべからずっと腕枕をしていたなんて、かわいそ過ぎる…と、野本が好きでやっていることにすら気を遣ってしまう。
ふと、腕から消えた重みに気づいたのか、野本が目を開けた。
その手で彩香の手を握ると、逃げないようにまたきつく抱きしめる。
「お目覚めですか?」
たった今、目を覚ましたことを後悔したのだが、口には出さない。
寝起きの顔を見られるのはやはり恥ずかしいし、特にこんなに密着していると心臓にも悪い。
野本は触れることにもあまり躊躇しないタイプのようだし、そうなると耐えなくてはいけないのは彩香の方だ。
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