第一部 生い立ちより~昭和18年
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学園祭の稽古の為終列車に乗り遅れ、帯広駅長室へ泣きこんだ。駅長さんの計らいで貨物列車に乗せて貰う事になり、焼き芋を十銭ずつで買い、懐にして止若(今の幕別)三人と池田二人の計五人が無蓋車に乗り込んだ。頭を出してはいけないので五人で寄り添い、お芋を齧りつつ暖を取る。九月末の十勝の夜は深けると寒い、友と別れ十時過ぎの池田大通りを一人で小走りに帰った。後になるとあの思い出も懐かしい。
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