第一部 生い立ちより~昭和18年

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一度、一人の友達にあれが同性愛かなと思う事があった。其の人は帯広の一流芸者の娘で私生児と私に明かしてくれた。美しく快活ながらも愁いを含んでいた。どうしたことかあの人の持っていたマリア様(博多人形)が私の元に残されたまま。山川美津枝と言い忘れられぬ人、好きなと言うより恋しい人であった。
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