2 天からの恵みは

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2 天からの恵みは

 朝食を終えた後のペンギンたちは、部屋の片付けや洗濯に勤しんだ。みんな働き者でくるくる、ちょこちょこ動き回る。  天気はここ一週間で、すこぶる良い。  長兄のダロイはタオルやシーツといった大物を、せっせと庭に干している。この後は布団も干そうと決めている。 「さて、僕は物置部屋の片付けをしないとねー」  朝食を採ってもまだ眠気の覚めてないトゥービグの動きは、他の四人の兄弟と比べると、のろのろして遅い。朝ご飯を食べ過ぎたせいでもある。瞼はよく開いていない。糸目だ。  物置部屋には大きな棚が設けられ、季節の行事に必要なものが押し込まれている。たまに部屋の窓を開け放ち、空気の入れ替えと塵取りが行われるが、隅々まで掃除する者はいない。  床には平積みになった本があり、その内の一冊をトゥービグは拾い上げる。それはトゥービグの見たことのないグラビア雑誌で、内容は森の妖精アイドルの特集だった。とてもグラマラスなペンギンアイドルが載っている。     
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