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トゥービグはまだ眠気が残っていたので雑誌を眺めて欠伸をした。それからぼんやりと、この雑誌は誰のものだろうか、捨てたら怒られるのかなと考えを巡らせる。後でみんなと回し読みをしよう。
「えーと、他の本は?」
どんなものがあるのかな、確認して捨てるものと置いておくものとに分別せねば。
しかしトゥービグは片付けるよりも、本を開いて読むことが目的になりつつあった。美味しい料理店の本や街で貰ってきた雑貨のカタログもあって、つい見入ってしまう。そうしていると。
「あ、トゥービグ兄ちゃんは、さぼってる!」
末っ子のサムに注意された。彼は拭き掃除の最中で、雑巾を持っている。
「さぼってない、ない。ないよー」
トゥービグは箒と塵取りを持って掃除を始める。しかし塵取りで床を掃き、床に置いた箒の元に塵を集めている。道具の使い方が逆だ。
「トゥービグ兄ちゃんてば寝惚けてる。昨日も夜更かしをしたんでしょ?」
「はは、まあね……」
「何をしてたのさ?」
「昨夜は隣の爺さんと夜遊びしたんだ」
「何をして遊んでたの?」
「オセロ……と、怪談」
先ほど寝室でトゥービグが、表や裏、白だの黒だの言ったのはオセロの夢を見た上での寝言だったことが発覚した。
トゥービグは怪談の内容を思い出し、ぶるりと震える。
「怪談は釜茹での刑や、舌抜きの刑を受けた死人の話を聞いたんだ」
「な、成る程。それは怖いね」
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