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3 魔女の所へ
トゥービグはサムを連れて、魔女の屋敷に足を運んだ。魔女はメイカの祖母であり、メイカに魔女を継がせるため色んな知識を与えている。
ダロイが言うには、きっとお菓子作りも教わっているのだろうから、魔女の所へ行って、魔女からあの時のケーキとドリンクの作り方を聞いたら良いとのことだ。
魔女の屋敷は、掠れた鳩羽紫の土壁と青い忘れな草の色をした屋根の二階造り。後方には灰色の細い塔が合わせ建つ。玄関前には自然の成り行きに任せた花と薬草畑の庭が広がっている。
「御免下さーい」
コンコン。
トゥービグがオリーブ色の戸を叩くとすぐに返事があった。
「いらっしゃいませー、お入りなさーい」
「失礼しまーす」
中に入ると止まり木に、一羽の白いオウムが止まっていた。
「はい、いらっしゃい、いらっしゃい。ペぺペ、ぺぺン、ギー!」
さっきから喋っていたのは、このオウムである。ペンギンの発音が出来ていない。誰か、教えてあげて。
奥の部屋へ進むと、そこに魔女がいた。
「森の妖精テノリペンギンや、何をしに来た?」
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