おまけ~神様たちの話~

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「面白いのじゃ。熱いのと、冷たいの。苦いのと甘いのと苦いのと。口の中がいっぱいになる」 「そうか……」 「姉上もわかるであろう?」 「今の私は何とも思わない」 「……むぅ、姉上は冷たいのじゃ」  泣き真似をしてみたが、そんなこと姉にはまるで通用しない。 「それで?何かあるのか?」 「うむ、慶一郎の奴がわしに供えたものじゃ」  そう言って朔は人の世界から持ってきたクッキーを姉に差し出す。 「慶一郎が作ったものじゃぞ!仲良きものと食えとあれは言ったが、姉上にやろう」 「……なぜ私に?」  いぶかしがる姉に朔は人のように素直な心でその真意を伝える。 「姉上は慶一郎の作ったものをまた口にしたいと申したのであろう。それゆえじゃ。今の姉上では外出もままならぬであろうしな」  姉は差し出された菓子をしばらく見つめた後、無表情なまま目をそらした。 「人の世界の食べ物など口にしては穢れる」 「むぅ、姉上とて一度は口にしたではないか」 「それは人の世界での話。……あれはあの場所を助けるに値するか、会議にかけるために訪れた場所である。それだけの話だ」 「しかし、姉上は再びと……」 「あの者のやる気を出させるための戯言に過ぎない……」     
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