弌ノ巻 〆妖界(アヤカシカイ)〆  

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はあ~終わった終わったあ~ やあ~っと終わったよお! う~ん、はやく家帰って寝よっかなあ 私は宮野 瑞恵(ミヤノミズエ) ようやく、残業が終わって帰ってるところ! いつものように橋を渡りながら 真っ暗な河原に視線を向ける 蛙の鳴き声が河原に響いていた 再び正面を向こうとしたとき いつもと違う和服男性が河原に立ち 夜空を見上げてることに気づいた! 私は石橋の手すりにつかまり その人影を見つめる なんだろう、その人の腰から 何か生えてて順番にうねうねしてるみたい… ジーッと見つめてると その人がこちらに気づいて 石橋の下に走り去る! そのまま放っておけば良かったのに その人が気になってしまって 土手の階段から河原におりる さっきの人、どこ行ったんだろう あっちかな… とりあえず石橋をくぐってみると 辺りが明るく朝霧がかかっていた! こ、ここ…どこなの!? 河原である事にかわりはないけど… ザザッ…ザザッ… なんか聞こえる! 足場が小石だらけで歩きにくいなあ ザザッ…ザザッ… なにか洗ってる音ね 「小豆あらおか、人とって喰うか… 小豆あらおか、人とって喰うか…」 っ!? 「小豆あらおか、人とって…」 はっ!気づかれたっ!?
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