序章

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* 女から 一回目の報告日誌が送られてきた。 僕の自宅マンションの郵便受けに入っていたそれは 郵送ではなかった。 『渡辺慎吾様』 僕の名前だけが白い封筒の表に書いてあり その中身は どこの家庭にでもあるような便せんで 書簡箋とかいうものだ。 差出人は荒木裕子。 それが本名かどうかはわからない。 また、確かめようとも 僕は思っていない。 女を初めて見かけたのは 半年ほど前のことだ。 日課にしているジョギングの途中だった。
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