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その後も、ユクリはお供を従えては山を下りる機会がしばしばありました。
それは物見遊山であったり社への参拝であったり、はたまた隣の邑へ訪問するための移動であったりと、理由は様々でした。
そんな折りに、ユクリが馬方の仕事をするエニシを目にする機会は何度かありました。
しかし二人は、会話をする事も、ましてや遊ぶ事など到底叶うわけもなく──。
ただ徒に、時は過ぎていくばかりでした。
ユクリの婚礼話が持ち上がったのは、祭りからさらに二年後のことでした。
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