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「はっ」
エナジードリンクを購入しベンチに戻ってくると、礼一は眠っていた目を開けた。
しまった。寝かせてしまった。そう思ったが、もう後の祭りだ。礼一は頭を抱えている。
「しまった、また夢を見てしまった」
その言葉を聞きたくなかった。
しかし、礼一を見るとやはりその瞳が『どうぞ聞いてくれ』と言っていた。聞くしかない。
「で、どんな夢?」
すると礼一は、少し躊躇うように俯く。私は怪訝な顔をしながら彼が口が開くのを待った。
礼一の口ぶりは、ひどく重々しかった。
「……俺とお前が、違う大学に行ってしまう夢」
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