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「アーケード街へ買い物行っただけだろ? 心配ねーって」
再度、寝返りを打って、鬱陶しそうに反対側を向くラサ。
「もう‥‥頼りにならないんだから。はい、あーん★」
彼から興味を逸らし、足元に居た、もう一匹の珍客に干し肉の塊を落とす。
グワッと大顎を開けたのは、人間より二回りほども大きい鰐。
ラサの相棒、墨を被ったのかと思うほど真っ黒なクロコダイル。
その背には鐙のようなものが装着されている。
烏色に鋭い爪、名は体を表す‥‥安直にクロウと名付けられた鰐。
カイザード帝都東部の水源、蒼き龍が宿るマンド河で、彼らは出会い意気投合した。
そのクロウがムシャムシャと咀嚼する姿は、なかなかに怖い。
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