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客らしき人物は、独り。
彼は再び、カウンターで突っ伏した。
なかなか奇抜な姿をしているが、それもそのはず、彼は[カラス]という種族。
まず、全身が濃い灰色、ほぼ黒と言って差し支えない。
黒っぽい三角帽子からは、手入れの行き届いていない伸び放題の黒髪が覗く。
気怠そうな着流し。
心なしか、周囲の雰囲気まで、どんより重い。
そこだけ暗いモノトーン調。
そして、着流しから複数本ハミ出した謎の物体がデローンと床に垂れている。
それには、整然と並ぶ吸盤模様。
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