・師走二十九日~師走三十一日【初陣の柊(ひいらぎ)】

1/9
前へ
/252ページ
次へ

・師走二十九日~師走三十一日【初陣の柊(ひいらぎ)】

 僅か五百の手勢と若手の文武官五名・母上を率いる強行軍である。  余と母上・女中は体力が心許なく、籠に入って運ばれている。  一里は一時間に歩める距離と定められているが、険しい道、籠の足に合わせるため、倍ほど時間がかかっている。  学友会の年長者にして武芸に優れる昭島に先鋒隊百名を任せ、継いで武芸の立つ良本を殿に百名を任せる。  余と母上を護る近衛兵五十名は鉄砲隊、文武両道の司卓に兵糧隊五十名を任せ、中央に配置。  左翼に学友会筆頭の知将・亮川に弓兵中心に百名を任せ、右翼に同じく知将・芳浜に弓兵中心に百名を任せた。  亮川と芳浜も籠に乗って各軍の中央に守られている形だ。  抜け道を使った故、騎馬は、早馬一頭のみ。これは馬術に秀でた司卓に任せている。  各部隊の忍びを散開させ、警戒に当たらせる。
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加