第一章 師走【雪月花(せつげつか)】

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 白鷺城は美しき見た目だけでなく、防衛設備にも抜かりはない。  しかし、謀反となると、敵を迎え撃つ罠も知り尽されている。 「殿、籠城しても勝ち目は御座いませぬ。何卒お逃げ下され!」 「じい‥‥余に逃げよと申すか!」  そう進言したは老中筆頭の還暦を迎えた神漬。  白鷺城切っての参謀である。 「神漬先生が残るならば、先鋒は我が務めましょうぞ!」  矢場又と双璧を成す文武両道の猛将、花岡が槍を振り回し大見得を切る。
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