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「ここで其方ら二人を失えば、白鷺城の奪還はどうせよと言うのだ!?」
「殿には類稀なる才が眠っておりまする。必ずや、奪還の日は参りましょうぞ」
「ささ、学友会の者達、母君と共にお逃げ下され!」
花岡の激励に続いて、神漬が手を鳴らすと側近五名が勢揃いする。
一人は二歳年上の武芸者、四名は同い年の選ばれし側近。
少し遅れて、母上と女中が到着する。
「お兄‥‥白鷺‥‥お殿様、白鷺城を捨て、落ち延びるのですか?」
母上が、幼少の頃から呼び慣れた呼び方を言い直しつつ、不安そうに尋ねる。
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