第一章◆プロローグ ◆エイプリルフール

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 睡眠薬が切れたのか。目が覚めたと思ったら、身体が動かない。  これが世に言う金縛りだろうか?  しかも、呼吸が出来ない。このままでは窒息死してしまう。  僕は精神障害二級の鬱病患者だ。様々な事から興味を失ってしまった。  普段から、何も考えず、ぼーっとしていると、「死んで楽になりたい」という思いが何度もよぎる。  死ぬ時は彼女と親友には何か一言伝えられればいいと思うが、そんな都合のよい死に方など考えつかない。  死後の世界なんて信じない。死ねれば楽になる。  でも、自殺する勇気が無い。痛いのも苦しいのも怖いのも嫌だ。自殺未遂で後遺症が残って不自由な生活になるのが最悪のパターンだ。
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