0人が本棚に入れています
本棚に追加
「自分らしさってなんだろうね?」
山高知紗江が僕に尋ねる。
「自分らしさ?急にどうしたのさ」
「朝、コンビニでコーヒー買ったんだけど、自分らしさって何かなと思って。」
「うん。なんでコーヒー買って、そう思ったのかわからないけど、自分らしさって何かって事だよね?」
僕は少し考える。
「自分らしさ……よくわからないけど、個性みたいな事なんじゃないかな?」
「そっか。コーヒーってさ何も入れないブラックで飲む人もいるし、ミルク、砂糖入れて飲む人もいるじゃない?」
「そうだね」
「私はミルク、砂糖一個ずつ入れるんだけど、そうやって飲む人も結構いるじゃん。なんか自分らしさがないなぁって思ってさ。」
「コーヒー飲むのにそこまで深く考えるのは紗江くらいじゃないかな……」
「そうかな?なんかみんなと同じっていうのは、ちょっと不満なんだよね。これが、私なんだ!これが、紗江のコーヒーなんだ!って感じがほしいのよ!」
「あれ?紗江はバリスタか何かを目指してるのかな?バリスタの発言っぽいこと言ってるけど?!」
紗江からスゴい熱意が伝わってくる。
最初のコメントを投稿しよう!