紗江は自分らしさがわからない!

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「自分らしさってなんだろうね?」 山高知紗江(やまこうちさえ)が僕に尋ねる。 「自分らしさ?急にどうしたのさ」 「朝、コンビニでコーヒー買ったんだけど、自分らしさって何かなと思って。」 「うん。なんでコーヒー買って、そう思ったのかわからないけど、自分らしさって何かって事だよね?」 僕は少し考える。 「自分らしさ……よくわからないけど、個性みたいな事なんじゃないかな?」 「そっか。コーヒーってさ何も入れないブラックで飲む人もいるし、ミルク、砂糖入れて飲む人もいるじゃない?」 「そうだね」 「私はミルク、砂糖一個ずつ入れるんだけど、そうやって飲む人も結構いるじゃん。なんか自分らしさがないなぁって思ってさ。」 「コーヒー飲むのにそこまで深く考えるのは紗江くらいじゃないかな……」 「そうかな?なんかみんなと同じっていうのは、ちょっと不満なんだよね。これが、私なんだ!これが、紗江のコーヒーなんだ!って感じがほしいのよ!」 「あれ?紗江はバリスタか何かを目指してるのかな?バリスタの発言っぽいこと言ってるけど?!」 紗江からスゴい熱意が伝わってくる。     
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