五度目の木の下は

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 今現地へ向かうと、上手く行けば21時過ぎには再び此処に戻れるはずだ。  ユッキが一般的な仕事に就いていれば、今日のユッキは出勤日である。であれば彼が来るのも遅いかもしれないのだ。  私はそれを願い、急いで現地に向かった。  現地では、何度も頭を下げてトラブルも解決。それから急いでUターン。  地元の駅に戻って来た時には21時を過ぎていた。  私は駅のタクシー乗り場に、運よく待機していた1台きりのタクシーに飛び乗った。  戻るのが怖かった。待ち遠しかった。  急いだ。脚が竦んだ。  何て言おう。何も言えないかもしれない。  良く分からなくなって来た。良く分からないから、とにかく行く。  行くしかない。  五回目の約束を守る為に。約束をも待ってくれることを信じて。  実家に近づくが、タクシーの中からは桜の木の場所が暗くて人の存在を確認出来ない。  でも何かが動いた気がした。  ぬか喜びをしちゃいけない。父かもしれないし、近所の犬が逃げたのかもしれない。牛かもしれない。  それに、一人じゃないかもしれない。  タクシーから降りると、はっきりと何かが居ることは分かった。  パンプスが悪路に取られ、二度ほど膝を地面につきながら私は走った。  走って近づくにつれて見えて来た。  見えた・・・。  間違いない、そこに居るのはユッキだ。  そして、今回は一人っきり・・・だ。
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