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ビキニパンツから白い布がはみ出ている。おまけにレースに黄色いしみがついている。魔界に百均があるのかどうか知らんが、生活水準がうかがい知れる。苦労しているんだな。
「で、その魔法少女様?が、どうして俺ん家に?」
「わたし、まほう少女ピヨスモンテ!」
「それは判ってる。粘着する理由を教えろや」
俺が核心に切り込むとピヨスモンテは押し黙ってしまった。
「するってーと、あれか? 契約者を男の娘に変えたり奴隷にしたり挙句は異世界へ飛ばして魔王と代理戦争させたりろくでもない任務を押し付けようってんだろ。ああ?」
どうだ、図星を指してやったぜ。
「わ、わたし、まほう少女ピヨスモンテ」
魔法少女はしどろもどろになった。
やっぱり悪質商法か。俺のような身寄りのない独身はいくさの捨て駒に最適だ。適当におだててボッチの純真さつけこめば、砂が水を吸うように洗脳できる。
君は唯一無二の勇者だとかなんとか。そしてつかの間の恋人を演じていれば偉業達成という次第だ。どうせ魔界の元カレと寝てるくせによ。
俺は洗いざらい魔女の腹積もりを暴いてやった。すると、彼女は今にも泣きそうな顔でうなづいた。
だんだん可哀そうになってきた。こいつも自分でなく上位の意思に仕方なく隷属しているだけだろう。あるいは生計のためか、体制に逆らえないのか、たぶんそんな事情。
いずれにしても巻き込まれると面倒なことになりそうだ。
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