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序
春の陽気に出逢い、命は扉を一杯に開いて剥き出しの赤い夢を見せつける。他所者が忍び込んで夢を食べれば、華やかな世界にさようならを告げ、扉を固く閉ざして渾身の愛を育む。
動物も植物も、男はどれだけ吠えたところで、女無しでは生きてはいけない。男には、女を従えている様に思わせておいて、その実、女は、自然の摂理を用いて、男を自分の僕(しもべ)に従えているのである。
こんな事を思考するのは、私が生殖前に女にまんまと逃げられたからに他ならない。私は惨めな男である。
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