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 休憩室から企画開発室に戻れば、自分の机の上に新しい図面が置いてあった。  藤野が現在作っている図面に繋がる箇所だ。  いずれは藤野が手がけなくちゃいけないブロックだが、予定から少し遅れ気味になっていた。  北里がすっと隣に立つ。 「有能な藤野さんには余計なお手伝いかもしれませんけど。使えなかったら捨ててください」 「手伝いなんかいらないって言わなかったっけ」 「でも、予定より遅れてるじゃないですか」 「いまさらこんなことされても、恩に着るつもりはないから」  近くの机の社員が北里と藤野を振り返る。聞き耳を立てているのが分かる。 「藤野さんのためじゃありません。志賀さんのためです」  北里の口から出た志賀という言葉に、心臓がどくりと音を立てた。 「藤野さんの評価が下がると、藤野さんを推薦した志賀さんまで割りを食いますから。ちゃんと仕事してください」  ぞくりとする。渦巻く感情に気持ちが悪くなりそうになる。
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