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栄市の自宅にて
五月三十日、土曜日、午前八時。
俺、坂田栄市が目を覚ますと、既にA市は俺のベッドの傍らで正座していた。
「あ、おかえり、ご苦労様」
寝ぼけまなこのまま、A市のうなじにあるスイッチを押す。
そのまま後頭部に手を回し、そこから出てきたミニSDカードを手にした。
すぐに自分の肩越しにセットされた挿入口にそれを入れる。
そのまま目をつぶると、昨夜の出来事が鮮明に脳裏に浮かび上がった。
「そうか・・・・・・ダメだったか」
鹿目愛子に振られたと知って、俺は落胆した。
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