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「どうしたの?」
優美は驚く様子もなく優輝に尋ねる
「優美さん。そんな事をしていると、いつか身を滅ぼしますよ!」
「どうして?」
「あなたは女性としてみっともない事をしているからです!」
「みっともない事、ね。じゃあ、ちょっと訊くけど・・・」
優美はしばし間を置いて、優輝を落ち着かせるようにゆっくりと語る。
「女らしい女とか、男らしい男って何なの?」
優輝は優美の質問に戸惑う。
「女は美人で、男は逞しく。そうじゃない人達は部外者扱い。そういう考えを持っている人達こそみっともないんじゃない?」
「それは・・・・」
「男の人は何人の女性と付き合っても黙認だけど、女の人が沢山の男の人と付き合うのはダメ。そもそも、どうして女性は家事をしないといけないの?」
「女性の象徴だからですよ」
「女性に生まれて不幸って思う人もいるんだから、迷惑な話よ。おまけに『子供を産むべきだ』なんて道具扱いするのもひどいわ。それが役目なら、私は女として生きる意味が無いわ」
「生きる意味が無い?」
「パパから聞いたでしょ? 私は子供を産めない身体だって。だったら、自分で自分の身体を好きに使っていいじゃない」
・・・・もう、うんざりだ!
優美の独自の世界の主張に嫌気が指した優輝は食事を中断して自室に戻り、ベッドに転がった。そして、考えた。
どうして、勉学も家事もする自分はダメな女・優美と住んでいるのか?
どうして僕は男に生まれたのか。僕が女だったら優美さんなんかより・・・。
怒りを募らせていると、階段を昇ってくる気配が。優美に違いない。階段を上がって少しの時間を置いてからドアがノックされた。自分に反省して決断を迷っていたのだろうか?
「優輝君、入っていい?」
どうするか迷ったが、優輝は承諾した。それが彼女の定めだったのか、優美は一糸纏わぬ姿で入ってきた。外の廊下には服が脱ぎ捨てられていた。
「優美さん、何してるんですか!?」
「優輝君が何か不機嫌だから、元気にしてあげたいから来たの」
彼女は優輝の寝転ぶベッドに身体を載せると唇を重ねられた。
それからはよく思い出せない。
一度目に気付いた時は優美に全ての服を脱がされた後。
二度目に気付いた時は互いの身体を交差させて脚の付け根に顔を埋めていた。
三度目に気付いた時は優輝の顔は優美の熱い蜜に汚れ、優美は口を拭っていた。
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