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「まだ元彼に掴まれたところ、痛いの?」
「痛いっていうか」
眉をしかめながら、手首を押さえる。
「なんか……重ダルイって感じです」
「それ、大丈夫? 別れ話したの、一週間前じゃなかった?」
「ですね」
「そんなに強く掴まれたの?」
「ですよ。すごく、怖かったです。ホント、最悪。何であんなヤツと付き合ってたんだろ」
溜息混じりに呟いたとき、店内に続けてお客さんが入ってきた。
私たちは「いらっしゃいませ」、笑顔を作って、ショーケースの前に立つ。
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